脊椎圧迫骨折(骨粗鬆症性椎体骨折)
診療部長 岩瀨 岳人
骨粗鬆症
骨粗鬆症とは、骨の量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。骨粗鬆症によって、物を持ち上げる動作などの比較的弱い外力でも背骨に骨折を生じることがあります。圧迫骨折に対しては、硬性コルセットによる固定、鎮痛剤の使用、リハビリなど、手術を行わずに治す保存治療が基本です。骨粗鬆症の治療もあわせて行います。
多くは保存治療で治癒しますが、十分な保存治療を行っても骨折が治らず、背中や腰の痛みが良くならないときや、骨折による神経症状があるときは手術を行います。
1.BKP(経皮的椎体形成術)
約5mmの傷から骨折した背骨にセメントを注入する手術で、全身麻酔で行います。術後早期から骨折による腰痛や背部痛の改善が期待され、体に対する負担が少ない手術のため短い入院期間での治療も可能です。2011年1月から保険適用となった治療法で、専門のトレーニングを受けた医師が治療にあたります。
- 骨折した背骨に細い経路を作り,風船のついた器具を挿入します。
- 風船を膨らませて潰れた骨を持ち上げ,骨折を整復します。
- 風船をふくらませてできた空間にセメントを注入します。
- セメントが固まったら手術終了です。
2.脊椎後方固定術
BKPが適応とならない骨折や、重い神経症状を伴う骨折に対してはインストゥルメンテーションを併用した脊椎固定術が行われます。当院では経皮的椎弓根スクリューの使用など、体への負担が小さい低侵襲手術を行っています。